ほかほかごはん

底辺社会人の戦い

テレビを持ってない話

さいころから居間には常にテレビがあって、おじいちゃんかおばあちゃんかが必ず前を陣取っていた。

きょうだいがぎゅっと押し込められた子供部屋にはテレビはなくて、父と母の夫婦部屋には1台、小さい箱型だけどビデオテープが再生できるすげーやつ。

テレビは2台あって、居間のテレビもビデオデッキが付属していた、なかなか恵まれたテレビ環境が整っていた気がする。

朝早くにアンパンマンが見たくて、でも父と寝るのはいやだったから、居間で寝るおばあちゃんと一緒に寝て、アンパンマンの時間になると起きて見ていた。

そのころ見ていたアンパンマンがどんなだったか、もう全然覚えてないけど、アニメがあんまり放送されない地域なのですごく貴重なアニメタイムだったことは覚えている。

アンパンマンを見て、よくわからないニュース番組を見て、朝ごはんを食べながら7時のアニメタイムに入ると、今度は少し年上の子供向け。

内容は難しくても楽しくて、さらに仮面ライダーなんてもっと意味がわからなかったけど、おじゃ魔女ドレミは未だにオープニングを歌えるし、プリキュアは5が一番好き。

日曜日は10時からポケモンが見れるからそれを見て、夜は18時からちびまる子ちゃんサザエさんのあとにはこち亀とワンピースが待っている、私にとっての黄金時代だ。

19時台ってセーラームーンレイアースもあった、平日の18時はNHKアニメ、カードキャプターさくらは漫画もそろえたっけ。漫画はメイリンちゃんが出ないから、アニメが好きだったことは覚えてる。

 

アニメの放映本数が減ったり、深夜帯に移っちゃったり、そもそもアニマックスとかに入ってないし、テレビが液晶になったり。

両親が離婚してから、母は2階に持ってた液晶テレビを持って出て行った。

父と母が生活してた部屋は父が占拠して、めっちゃでかいテレビが鎮座している。もっぱらサッカー観戦専用機。

居間のテレビもおじいちゃんとおばあちゃんの専用で、昔持ってたビデオデッキつきの箱型も客間の奥で飾りになってる。

昨日その箱型でドラえもんを見たときは興奮したもんだ、まだ動くんだって。

 

家を追い出されたとき、自分のテレビなんて持ってなかったから、今の生活が始まってからはずいぶん長いことテレビを見ていない。

前は車のカーナビでテレビが見れるなんて贅沢もあったけど、車売っちゃったので、まったく見てないのだ。

勤め先があった頃は毎日あのドラマ見た?面白いよ、そう話しかけられては困って、録画しておきますね、なんて嘘をついたもん。

今はhuluだのネトフリなどで見たい番組は見れるけど、私の生活はそこに割けるほど裕福でもないし、たぶん導入したところで見ないだろう。

テレビがあった頃、食卓を囲んで家族で見たアニメ、きょうだいたちとお風呂や寝る準備を済ませて待機した金曜ロードショー

一人で見るアニメは面白いけれど、なんだか物足りなくて寂しい。

 

それでもテレビは欲しい、垂れ流しにしているだけでもニュースは入ってくるし、嵐にしやがれが終わるまでにちゃんと見てみたいな…と思いながら今日もバイトに励みます。